ほんとだったら、今日はシドニーで「アッティラ」の2回目公演だったはずのアレクサンドル・ヴィノグラードフ。
リハーサルも順調に進んでいた矢先に、デルタ株の蔓延防止のために6月25日からシドニーは2週間のロックダウンに入りました。
この2週間=アッティラの公演期間にモロ被りしているため、当初6公演予定されていた公演のうち、5公演はキャンセル。残る1公演は最終日の7月10日のみとなりました。
***朗報!!!***
オペラ・オーストラリアの迅速な取り計らいにより追加公演が決定しました!!!7月10日がプレミエ、12日、14日、そして17日の4公演がリスケジュールされました。ありがたや〜〜
公演再開はロックダウンの解除にかかっているため、なんとしても7月9日に解除してもらわねばなりません。
ということで、まだまだ再開祈願企画は続きます。
おとといの初日のはずだった日にアップした、ムソルグスキーの「死の歌と踊り」子守唄の続きで
2回目公演の本日は、みんな大好き「セレナーデ」をアップしました。
Alexander Vinogradov (Bass) sings Serenade- from Songs and Dances of Death
(2016年、コペンハーゲンでの公演の放送音源より)
「死の歌と踊り」は私がロシア語に興味を持ち始めたきっかけの一つにもなった、とても思い入れの強い作品ですが
とりわけ好きなのがこの「セレナーデ」
この歌曲の連作は、ずーっとクリップを作りたかったものの一つで(音源は2016年だもの、5年近くほったらかしてた。。。ごめん)
GWにでも作ろうかと、こんなアンケートもツイッターで取りましたけど、あまりの人気薄に母数もあまり集まらず^^;;;;;(そんななか、協力して下さった方々、ありがとうございます:)))
トピ主(古っ)の一押しは、病床のうら若き娘が死神に魅入られていくさまを死神側から語った「セレナーデ」です☠️
— ヴァランシエンヌ(Valencienne) (@valen_vino) April 24, 2021
結果は
1位 司令官
2位 セレナーデ
3位 子守唄
4位 トレパーク
でした。トレパークには一票も入りませんでしたが、題材がちょいと我々日本人には馴染みにくいかもしれませんね。個人的にはセレナーデが一番です、ご協力頂きありがとうございました😊
今後の参考にいたします💁♀️ https://t.co/PKVRHav1WP— ヴァランシエンヌ(Valencienne) (@valen_vino) April 27, 2021
結果は「トレパーク」の方が「セレナーデ」よりも人気だったんですよねえ。
「死の歌と踊り」を語る時に外せない命題が
ロシア語の「死=смерть(すめるち)」は女性名詞。邦訳では大概、смертьは「死神」として訳してあることが多く、2012年トッパンホールでのルネ・パーペのリサイタルの時のプログラムでもそうでしたが、それで括ってしまうのは、なんとなく違うような気がしています。
特に「セレナーデ」では、病床のうら若き娘が騎士の格好をした死神に魅入られて(誘惑されて)。。。という内容なので、「いやそれは男性が誘惑しているのでは?!」と思いがちですが
ヴィノグラードフも、この音源の元となったコペンハーゲンでのコンサートの前後のインタビューで「ロシアにおいての【死】は女性。男はあくまでも【語り手】」と言ってるので
その辺の深遠さが、この作品にそそられる所以でもあるのですが
そーいうイメージを、ちょっとでもお伝えできるような「絵」をつけたつもり。。。
(画質があんまり良くなくて申し訳ないですが;;)
彼の素晴らしいロシア語の捌きと、うっかり「死」に魅入られてしまいそうな低音をお楽しみ頂ければ何よりです。
そして、シドニーのロックダウンが7月9日で予定通り解除されるように! 一緒に祈ってくださいませ。
どうぞよろしくお願いします。