シドニーでの「アッティラ」2公演→5公演キャンセル

☆6月26日、オーストラリアニューサウスウェールズ州政府は朝と昼に2度記者会見を行ない、2度目の会見でロックダウンを行う地域を大幅に拡大(シドニー周辺部全体)
そして期間も、7月2日までの1週間から7月9日(金)までの2週間に延長。これでヴィノグラドフがタイトルロールの「アッティラ」の公演は、最終日の7月10日(土)一回のみとなりました・・・

オーストラリアのメルボルンとシドニーで、3つの公演に出るべく、リハーサルが始まるまでの待機期間の2週間を含めると、7月中旬まで約3ヶ月間オーストラリアに滞在予定のアレクサンドル・ヴィノグラードフ。

3つのうち2つは5月のメルボルンでのアイーダエルナーニで、大成功に終わりました。

メルボルンでの公演が終わった数日後に、メルボルンでちょっとだけロックダウンがあったのですが、その直前に6月末からのシドニーでの「アッティラ(タイトルロール)」に向けて、タイミングよく脱出してましたし、基本的にオーストラリアはコロナ抑え込みの優等生国なので、この3ヶ月間はむしろヨーロッパにいるよりも安全だし、確実に仕事もできるだろうな…と信じてました。

「アッティラ」も6月29日の初日に向けて順調にリハーサルが進み、共演のソプラノさんのインスタストーリーにも登場したり、そろそろゲネプロだろうし、そしたら舞台写真も見られるかな…と、そわそわわくわく、楽しみにしていました。

6月25日、日本時間のお昼過ぎ。
何気なくツイッターを見ていると「シドニーがロックダウン」の文字が飛び込んできました。

・・・え?
なんで?
嘘でしょ?

Covid: Sydney city centre and Bondi beach to enter lockdown
More than one million people will go through a week-long lockdown to contain a rise in cases.

シドニー市内で急激に広がったデルタ株による22人(!)の感染者が出たため、7月2日までの短期ロックダウンとのことです。 → 一晩で感染者が80人に増えたため
ロックダウン地域を広げて、期間も1週間から2週間に延長。7月9日までのロックダウンとなりました。

「アッティラ」の6公演のうち2公演(6月29日と7月1日) → 5公演(6月29日、7月1日、3日、6日、8日)は、残念ながらキャンセル、最終日の7月10日一回のみとなりました。

Attila | Opera Australia
Verdi’s grand opera about the King of the Huns in a spectacular production. Sydney Opera House, 29 June–10 July.

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コロナ抑え込み優等生のオーストラリアでの仕事、そして来シーズンの予定も順調に入ってきてるし
個人的には1回目のワクチンの接種も済んで
「お正月明けにはどこかへ聴きに行けるかな・・・」なんて感じで、
なんとなく
「コロナ前に戻ったような感覚」を感じていて、すっかり油断していました。

まさかの、オーストラリアでのロックダウンによる舞台キャンセル。

僅か22人でロックダウンに踏み切るシドニーの決断に異論はありません。理性では理解しています。

けど感情は追い付きません。
極東から私が心を痛めてもどうにもならないのですが、やっぱり辛い。ニュースを知った時には、目の前真っ暗、気が遠くなりました。

ましてタイトルロールを心から楽しみにしていたはずのヴィノグラードフ本人の気持ちを考えると。。。

もう、本当にこのウィルスが憎い。

ワクチンの接種が済んだ・・・だけでは済まないコロナとの戦い。一寸先は闇のコロナ禍…というのを、嫌という程、実感しました。

このコロナ禍の中でも、彼は比較的仕事に恵まれていて、勿論公演そのものが丸ごとキャンセルになったものも多くありましたけど、
今回のように、リハーサルを順調に進めていて、ゲネプロ目前、というところで舞台が奪われたのは、今回が初めてです。
それだけに、余計辛い。

しかもタイトルロールなのに・・・と考えると、私も胸が張り裂けそう。

今はとにかく、彼を始め共演者や劇場スタッフ、関係者の健康と、なんとしても7月2日 → 7月9日でロックダウンが解除されて、1回だけでもいいから公演して欲しい。
それだけを信じて祈っています。

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