130525ー26 エフゲニー・オネーギン@トリノ王立歌劇場(レッジョ劇場)全体編

(グレーミン侯爵編は=>=>=>)

トリノでの「オネーギン」は、何度か書いたように、2013年2月にROHでカスパー・ホルテンが出した演出と同じものです。ROHの公演は、既にブルーレイも発売されています。

ROHの上演時に話題に上ったのが、若オネーギンと若タチヤーナのダンサーが分身として、本人達の心の声を代弁する…ということ。
ふーん…と思ったんですが、某所に上がった映像やら、舞台写真を見ると、情景そのものは美しく、写実的な舞台だと感じたので、見に行こうと思ったのでした。
(グレーミン侯爵がラストシーンで、二人の応酬場面に居合わせてしまう…というのも、ちょぴっと話題になったんですが、その「トリノ編・最終日バージョン」のレポは=>=>=>)

なんせ半年も前のことになってしまったので、正直な所、細部は忘れてます。。。
この公演、主要キャストはA,Bそれぞれ別の歌手が担当しました。連日で別キャストの公演が楽しめるのは、旅行者にとっては美味しい話です。

先に見たのがBキャスト最終日の日(5月25日)で、この日の席は劇場レポに書いたとおり、2階(この劇場はアリーナ形式なので、2階までしかありません)の左サイド寄りのボックス。

ここで見ていた時は「3分の2ぐらいは見えてるかな・・」と思っていたのですが、翌日、平土間に座ってみて、奥行きも殆ど見えていなかったことが判明。
なので、実質的には半分も見えてない状態でしたので、問題のダンサーも幸か不幸か、殆ど視界に入って来ませんでした。

翌日、平土間で見た時に初めて見るような感じでしたが、ご多分に漏れず私もこれはイラン!!!と強く感じました。

何が嫌…って、動きがオネーギン、タチヤーナのそれ(ロシアの血を感じさせる何か)ではないところ。
タチヤーナの喜びの表現は、決して身体をクネクネさせる類いのものではないですし、オネーギンに至っては、あんな快活な青年のはずはないでしょう…

タチヤーナ、マトリョーシカ人形のような風貌の若いソプラノ・BキャストのRadostina Nikolaevaも、ふっくらした容姿ではあるんですが、楚々とした感じもきちんと表現されていて、とても良かったです。(Bキャストの舞台写真は彼女のFBアルバムで見られます)
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しかし、何と言ってもAキャストのスヴェトラ・ヴァシレヴァが圧巻。

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実は彼女、2009年10月に、パルマのヴェルディ・レクイエムでアレクサンドル・ヴィノグラードフと共演していて、その時の印象があまり良くなく(レポにも辛辣なこと書いてる…ごめんね^^;)
今回も「う〜〜〜ん、彼女がタチヤーナか…」と、ちょっと引っかかりを覚えていました。

しかし、初日の放送録音を聴いてみたところ、想像以上に良く、これならとりあえず、我慢出来ないってことはなさそうだわ…と思ったんですが、
最終日ということもあってか、出てきた瞬間から何かに取り憑かれたような役への没入感が感じられ、すっかり魅了されました。
日程調整すれば、Aキャストを2回聴ける可能性があったんですが、いくら大好きな「オネーギン」も、連日3回も聴いたら飽きちゃいそう・・;と思い、躊躇してしまったんですが、激しく後悔してます。もう一度彼女のタチヤーナを見たかった。

「手紙の場」は、若タチヤーナが身体をクネクネさせながら手紙を書くのですけど、余計な仕草を若タチヤーナがすればするほど、ヴァシレヴァ・タチヤーナが筆を取り、文章をしたためているのが目に見えるような錯覚を起こすぐらい、ちゃんと書きながら歌っているように見えるんです。
あんなに熱い思いの籠った「手紙の場」は初めてでした。

侯爵夫人になった3幕では、凛とした美しさが際立ってました。グレーミン侯爵が自分を賛美してくれるアリアを歌い終わったあと、オネーギンの目の前で彼にそっとキスするんですが、も〜〜、ここんとこ、萌えました(最終日のグレーミン侯爵には、とあるカラクリがあったので余計に^m^)

もちろん、オネーギンとの最後の応酬も◎。ちゃんと理にかなった動きをしているし、表現の方向性も、私にピッタリのタチヤーナでしたから、最後に彼女が泣き崩れてしまったところは、本当に胸に刺さりました。先日のメトライブビューイングでの新演出オネーギンでのネトレプコと、ラストシーンでの状況は異なりますが、私はどちらも好き…

オネーギンは、AキャストのVasilij Ladjuk、BキャストのVladislav Sulimskij、どちらもハイバイトン、似た系統の声で、オネーギンに相応しいと思いましたし、甲乙つけがたい出来でしたが、若干、Bキャストのスリムスキーに軍配を上げます。
彼の方が少し若いのかな?遠目に見ると、ちょっとエフゲニー・ニキーチンに似たような感じのニヒルさ+姿勢が良く立ち姿がいいんですわ。経歴を見た所、ディミトリー・ホロストフスキーのマスタークラスを受けているようですから、それも影響しているんでしょう^^
彼とヴァシレヴァの組み合わせも、見てみたかったと思いました。

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とはいえ、Ladjukも充分満足の行くものでした。オネーギンって貴族であることは大前提ですが、野卑な部分も持ち合わせている人ですし、そういう面にフォーカスすると、彼のようなオネーギンも「アリ」だと思います。

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主役カップルがABキャストとも大満足だったのに反して、意外に印象に残らなかったのが、オリガとレンスキーカップル。特にAキャストでオリガを歌っていたニーノ・スルグラーゼは、2011年にはボローニャ市立劇場の「カルメン」を歌った時にはとても知的でクールな感じが好感度大だったんですが、演出のせいなのか、ちょっと子供っぽい印象で残念でした。それだけ、タチヤーナのヴァシレヴァが冴えていたのかもしれませんが。
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むしろ、乳母を歌っていた若いコントラルトのElena Sommerのほうが、深い声で女声4人のアンサンブルの中でもしっかりと通って聞こえてきたので、こちらの方がオリガとして、相応しかったのかも…と思いました。

脇の歌手で、ある意味グレーミン侯爵以上に楽しみにしていたのが、姉妹のお母さん・ラーリナ夫人を歌っていたマリー・マクローリン。私、彼女はオペラ入門時代から見続けている(笑)DVDの「アラベラ@メト」のズデンカ&「フィガロ@アン・デア・ウィーン」のスザンナが大好きなので、まさかヴィノグラードフの追っかけ絡みで、実演に接することができるとは夢にも思ってませんでしたから、すっごく嬉しかったです。

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年齢を重ねても尚、チャーミングで美しく、そしてコケティッシュな魅力すら、まだまだ枯れてなかったのは感激。レンスキーと話すところなんて、まるで娘の恋人を(無意識に)誘惑しているんじゃない?^^?というくらい、魅力的な仕草(もちろん歌も!)でした。彼女はヴィノグラードフ同様、連日の出演でしたので、2回見られて得した気分でした♪

指揮はジャナンドレア・ノセダ。すっごく唸る人で、3列目までもうなり声が聞こえました^^;
トリノのオケは、イタリアものだとまた違って聞こえるかもしれませんが、
一生懸命さが伝わってくるオケだと思います。

この公演に関しては大満足でしたが、言ってもせんないことではありますが、ROHのキャストよりもネームバリューには劣りますが、ロシア色の強いキャストでしたし、私としてはこちらも映像収録して欲しかった。それだけが残念です。
一応、Rai.TVで特番もやったので(笑)断片映像は見られます。興味のある方は、ROHのディスクと見比べてみては如何でしょうか。
(ラストシーンだけは↓参照)

イタリアの劇場訪問は、スカラ座に引き続き二度目でしたが(パルマは大聖堂の中での演奏会でしたからねっ)トリノもホントに良いオペラハウスで、チケットも新国より若干安め…なくらいで手頃ですし、機会があればまた行きたいです。。。

って、今、来日中だし(マルちゃん〜〜〜聴きたかったんだけど・笑)
ヴィノグラードフも来年早々には、またここで歌うんですけどね:P(ザラストロ@魔笛)

なんせ、彼は一年のうちに4回もここに出ている計算になりますから(4月の大審問官@ドン・カルロ、5月のグレーミン侯爵、そして10月に萌えたスパラフチーレ@リゴレット&来年1月のザラストロ…)
暫く、トリノの情報も追っかけざるを得ません(笑)(シラー劇場の代わりになり得る…かしら?!)

(グレーミン侯爵編は=>=>=>)

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Evgenij Onegin(Eugene Onegin)

Teatro Regio, Venerdì 17 Maggio 2013 – Domenica 26 Maggio 2013

Evgenij Onegin :baritono Vasilij Ladjuk, Vladislav Sulimskij (18, 23, 25)
Tat’jana, figlia di Larina :soprano Svetla Vassileva, Radostina Nikolaeva (18, 23, 25)

Vladimir Lenskij :tenore Maksim Aksënov, Aleksej Tatarintsev (18, 23, 25)
Ol’ga, figlia di Larina :contralto Nino Surguladze, Iryna Zhytynska (18, 23, 25)

Il principe Gremin :basso Aleksandr Vinogradov
La vedova Larina,possidente :mezzosoprano Marie McLaughlin
Triquet, un maestro di francese :tenore Carlo Bosi
La njanja Filipp’evna :mezzosoprano:Elena Sommer

Un Capitano della Guardia :basso Vladimir Jurlin, Marco Sportelli (18, 22, 24, 26)
Zareckij :basso Scott Johnson
Guillot mimo :Giuseppe Cannizzo, Andrea Frisano (18, 23, 25)
La giovane Tat’jana mimo :Francesca Raballo, Veronica Morello (18, 23, 25)
Il giovane Onegin mimo :Andrea Frisano, Giuseppe Cannizzo (18, 23, 25)

Direttore d’orchestra :Gianandrea Noseda
Regia :Kasper Holten
Scene Mia Stensgaard
Costumi Katrina Lindsay
Luci Wolfgang Göbbel
Coreografia Signe Fabricius
Video Leo Warner e Lawrence Watson
per 59 Production
Aiuto regista Justin Way
Costumi ripresi da Elena Cicorella
Luci riprese da John Charlton
Coreografia ripresa da Toniah Pedersen
Video ripresi da Benjamin Pierce
Maestro del coro
Claudio Fenoglio

Orchestra e coro del Teatro Regio

Nuovo allestimento in coproduzione con
Royal Opera House Covent Garden, Londra
e Opera Australia

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