110219 ルネ・パーペ リサイタル@トッパンホール

《このリサイタルの為の予習&最近のルネ・パーペ関連記事》
・再掲:アイドルを探せvol.1 ルネ・パーペ
・ボリス・ゴドゥノフ@Metライブビューイング
・「死の歌と踊り」ピアノ伴奏向け予習教材+ドイツリートもちょっとだけ
・「死の歌と踊り」予習教材その2
・ヴォルフ:ミケランジェロの3つの詩より2曲

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ご一緒して下さった方々、ありがとうございました!楽しかったですね^^
それから…休憩時間にちょうど、私がお手洗いに行っている最中に、同行の友人達から「ヴァランシエンヌさんのブログで予習をしたのですが…」とお声かけをして下さった方がいたと伺いました。

独断と偏見に満ちた予習記事ですが、役に立てて下さった方がいらしたと伺って、大変嬉しく思います。恒常的にここを見て下さっているかどうか???ですが[E:coldsweats01]
この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。

Pape_rene_p_2

さて我が家で取り上げることの多い歌手の一人であり、何の因果か?!ウチの検索語句歌手部門、不動のNo.1である、ルネ・パーペ。
(あ、あのっ、ウチで力強くプッシュしている歌手は、決してパーペではないのよ[E:coldsweats01])

そういうわけで、何気に気になる、そして私自身はともかく…何故か私の友人たちには、彼のファンが多い(^^;
(ええもう、私が力強くプッシュしているバス歌手さんも、先輩格に当たる彼のことを、とーっても高く評価しているんですのよ[E:confident])

そんなパーペの、日本では初めてのリサイタル。しかもプログラムに燦然と輝く「死の歌と踊り@ムソルグスキー」[E:shine]
これはもう、行くしかないでしょ!!!ということで、大変たのしみにしていたリサイタルです。

会場のトッパンホールは、印刷会社の凸版印刷が母体…ってことで、無料のプログラムが、大変充実しておりました。全ての歌曲に歌詞対訳が掲載、さらに個人的に萌え萌えだったのが「死の歌と踊り」のオリジナル歌詞を、ちゃんとロシア文字で書いてくれていたこと![E:happy02]
(実は一カ所、誤植があるんですけど、まあいいでしょ(笑))

…もう、これだけで、ヴァラリンのテンションMax[E:up] トッパンホール、場所は不便だけど(笑)素晴らしい!!

さて、意気揚々と入ってきた彼を見て、まず感じたのが

「御大、老けた → 年取ったわね[E:coldsweats01]」 (←超シツレーな聴き手)

…考えてみれば、彼を至近距離で眺める[E:eye]のは、リンデンでの「ボリス・ゴドゥノフ」以来、5年ぶりです。その間に映像や写真では見ていましたし、2009年9月にはNHKホールでのヴェルレクも聴いたんですけど(この時は、3階席の一番後ろでしたから)

心なしか髪の毛の色も薄く、少し白髪交じりになってきたかもしれませんね。お顔もまんまる、全体的に太めに振れている気もしましたし。
しかも、直近に行われたサントリーホールでの「パルジファル」では、メガネ[E:eyeglass]もかけていたという話でしたから
(終わった後のサイン会では、やはりメガネをかけていらっしゃいましたから「多分、●眼鏡だよね~~」と思ったり...またまた超シツレーな聴き手[E:sweat02])
時の流れを感じました。

しかし、歌&声の調子は絶好調。ホールが小さかったことにも起因してるんでしょうが「声、でかすぎだよ(^_^;;;;;)」と、何度心の中で突っ込みを入れたことやら。
特に楽しげな曲(シューベルトの「ミューズの子」がとりわけ凄かった)になると、声量アップ[E:up]、ご本人も恐らく、ものすごく楽しくって、気分良く歌って[E:notes]いらっしゃったのではないでしょうか?

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私がパーペを、素晴らしい歌手だとぼんやり思いながらも、どうしても巷で絶賛されるほどには素直に思えない理由が

「《役に没入型》の、彼の歌は、非常にナルシスティックで、いつでも覇気りんりん、力入りまくりの、油ギッシュな感じ[E:sweat01]」

ということなのですが、今回はリートのせい?それとも、年を重ねた故、彼の肩の力が抜けてきたのか?
(場合によって声量が大きすぎたことはおいといて^^;)
素直に彼の、ポテンシャルの高さ、カリスマ性を認めざるを得ませんでした[E:confident]

ドラマティックに振れ気味の表現は、やはりリート歌手<オペラ歌手という印象ですが、思いの外、もたれない表現には、非常に好感が持てました。

特に(ハイネに失礼だと思いつつ^^;)「詩人の恋」…
あのめそめそした歌詞を、一体(あのコワモテ顔の^^;)パーペが、どのツラ下げて歌うんかい!べたべたと感傷的に歌われたら、かなわないわぁ…[E:shock]
とか、すごく自分勝手なことを思っていたのですが。

暑苦しくないですし、巷で評判の高い、彼のドイツ語のディクションの美しさ&何故か年を重ねるごとに、より高め&明るめに移行している(今の彼の声域は、もしかしたらバスバリトンに近い感じ?)彼の声の美しさを充分に堪能できました。

クリップを大急ぎで作ってみた「ミケランジェロの3つの詩」は、もっとロマンティックに、自己陶酔なさるかしら~?と思っていたんですが、、堂々とした歌いクチ。この作品は、こーいう風に歌うのがいいんでしょう。

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そして、自称ロシアもの普及委員として(笑)一番楽しみにしていたのは、
私が愛してやまない[E:heart02]ムソルグスキーの「死の歌と踊り」
ええもう、あんなに張り切って、予習教材も用意したんですからねっ。

しかも、前述したように、プログラムにはロシア文字のオリジナルテキストが記載されていることもあって、
この曲だけは譜面を用意したパーペ同様に?私も「彼の表情をチラ見しつつ、テキストを目で追っかけ作業」に没頭、時々は一緒に心の中で口ずさんでみたり[E:coldsweats01]

最初の「子守歌」の冒頭の歌詞"Стонет ребёнок…" を聴いた途端
「ああ~~やっぱりパーペは、ロシア語でも語尾の子音を思いっきり効かせるのね」
と、思いました。

ドイツ語でも子音を非常に美しく効かせ、歯切れ良く歌うパーペのこと。
恐らくロシア語もそういう形で歌うんだろう…と予想はしていたんですが。
発音教程で習った「正しいロシア語の発音」のまんまというか、お手本のようなロシア語は、ロシア語学習者として、大変興味深かったです。

この「ドイツ語のような歯切れの良いロシア語」がロシア語本来の美しい響きとは、ちょっと違うような気がするんですが、だからと言って、それが決してマイナスにはなっていない。彼の「死の歌と踊り」の解釈はまさに男性的で、有無を言わせない迫力がありました。

ただ、私が私がこの作品になじむきっかけになったのが、ソプラノのガリーナ・ヴィシネフスカヤのCDだったこと+梅丘歌曲会館さんの解説の影響もあるのですが;

何度か書いているのですが、ロシア語の「死=смерть(すめるち)」は女性名詞。邦訳では大概、смертьは「死神」として訳してあることが多く、今回のプログラムもそうでしたが、それで括ってしまうのは、なんとなく違うような気がしています。

死神という偶像がドラマを動かすのではなく、もっと大いなる、誰にでも訪れる「死」という概念そのものが、作品を支配している…そんな感じで解釈していくと、今回のパーペの男性的な表現だけですと、100にはならないかな、という気がしました。

私はこの作品を、非常に愛しています。取り憑かれていると言った方が適切かもしれません。
色んな解釈で、色んな方が歌うのを聴いてみたいし、その過程の中で自らのロシア語の知識、この作品に対する解釈を、より深く探求して、いつか自分の言葉で訳付けをしたい。
ですから、彼のこの作品を聴けたことは、とても満足しています。

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そして、どうしても書かずにはいられないのが、ピアノ伴奏のカミロ・ラディケが大変素晴らしかったこと。
パーペが本格的にリサイタルを手がけるようになって2年あまり、ずっと彼のピアニストとして一緒に活動なさっている(と思います)だけあって、合わせ方が絶妙。

いちいち、パーペの表情を確認なんてしなくても、彼の気分が高揚して気持ちよさそうに歌っている時には、同じように雄弁に。間を持たすべきところではスッと引いたり…の、まさに「あうんの呼吸」には、感激でした。

もちろん「ピア伴だとオケ版に比べて、地味な印象が免れないわ」と密かに懸念していた「死の歌と踊り」でも、不満は全く感じませんでした。寧ろ、オケ版だとその派手さに耳が奪われてしまうこともあるんですが
(それが心地良かったりもするので、どっちが優れているとかいう議論はナンセンス)
音楽としての純度が高まるが故、歌手の表現&力量がストレートに味わえる喜びがあります。

これだけ息のあったピアニストを見つけたパーペは、幸せなリサイタリストだなぁ、と思います[E:confident]

そして、絶好調の彼&これだけの濃密なプログラムを、400人という小さなホールで味わえた、彼のファンの方は本当に幸せだと思います[E:heart04]
私も、その幸せのおすそわけをしてもらった気分[E:confident]

トッパンホール様、今度は是非、アレクサンドル・ヴィノグラドフの「ロシア歌曲の夕べ」をやって下さると嬉しいな♪
(是非是非、彼を呼んで下さい~~お願いします[E:heart])

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ルネ・パーペ(バス)リサイタル
2011年2月19日(土)17:00 トッパンホール

ルネ・パーペ(Rene’ Pape)(bass)
カミロ・ラディケ(Camillo Radicke)(piano)

シューベルト(Schubert)
音楽に寄す(An die Musik) Op.88-4 D547
笑いと涙(Lachen und Weinen) Op.59-4 D777
夕映えの中で(Im Abendrot) D799
野ばら(Heidenro"slein) D257
ミューズの子(Der Musensohn) Op.92-1 D764

シューマン(Schumann)
詩人の恋(Dichterliebe) Op.48

~休憩~

ヴォルフ(Wolf)
ミケランジェロの3つの詩(3 Gedichte von Michelangelo)
 わたしはしばしば思う
 この世に生を享けたものはすべて滅びる
 わたしの魂は感じえようか?

ムソルグスキー(Мусоргский)
死の歌と踊り(Песни и пляски смерти)

 子守歌(Колыбельная)
 セレナード(Серенада)
 トレパック(Трепак)
 司令官(Полководец)

~アンコール~
R.シュトラウス(Strauss)/献呈(Zueignung) Op.10-1
シューマン(Schumann)/子供のおもり(Kinderwacht) Op.79-21

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