先週37歳の誕生日を迎えた、彼への今年のバースデークリッププレゼントはこれ。
まだ第一楽章だけなんですけどねっ。
以下は、このクリップ作りにどれだけ苦労したか(笑)をまとめたものです。
クリップ作りを始めた頃、彼のロシア語の歌に自分で訳した日本語の字幕が付けられるようになったらいいなあと、漠然と考えてました。
一応、辞書を引きまくって、アドバイスを頂ければロシア語をなんとか訳せるレベルになったので?今年5月のパリでの公演に合わせて、無理やり訳したのがこちら。
中継放送もあったので、後はクリップ作って字幕つけるだけじゃん…というところまで、材料は揃いました。
全曲が一時間前後の作品ですから、いっぺんに作ってもいいんですが、私は自分がパソコンでの長時間視聴が苦手なのと、分割してアップしたほうが、より人目につきやすいかな?との目論見もあり、一楽章ずつ分けて作ることにしました。
しかし、これまで作ってきたのはアリアや歌曲など、一曲が(長くても)5分ちょっとのものばかり。いきなり第一楽章の15分という長さに躊躇…
クリップを作る時に気をつけているのが、絵の統一感。アリアならば、舞台写真を駆使してなんとかなるんですが、コンサートピースにゃそれもなく…
どっちみち字幕をつけるならば、
タキシードの写真を集めて、オケや合唱、指揮者の写真も入れて、繋いで行こうかと思ってました。
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その考えを覆したのが、11月の終わりの都響での(*1)13番。
私は行かなかったのですが、感想を拾ってみると、多くの方がこの作品を日本語字幕付きで、実演でお聴きになったのが初めてということもあってか、この歌詞の政治的なメッセージに目を奪われた感じに見受けられました。
折しも時期的に、日本にとって非常に由々しい法律が可決されたこともあり、今の日本とこの作品の歌詞を重ねた感想なども目にし、なんとも複雑な気分に。
音楽の聴き方に決まりはないし、私も今の日本の状況を憂えてはいますが、この作品と重ねて考えたことは、今まで一度もないです。
まあ、何かにつけてきな臭いエピソード満載の作品ですし、その手の議論は避けられないだろうと私も思います。
でも、それだけにとらわれているのはあまりにも短絡的というか、もったいないでしょう…と思うのです。
ヴィノグラードフが歌っているからこの作品が好きなのか、この作品そのものが好きなのか。
ニワトリが先か卵が先か、みたいですが、
私がこの作品が好きなのは、
暴力的でもあり、破壊的でもあるけど、
一本芯が通った強さと、ロマンティックで美しい旋律のコラボレーションが素晴らしいこと、
そしてロシア語の響きの男性的な美しさを、心の底から堪能できること。
それは歌詞の内容以前に、オーケストラが奏でる旋律と、身体が楽器の声楽家達(低い声の男どもの、ね)の発する、厚い(熱い)声の絡みに耳を奪われた私にとって、ほんとは歌詞の内容は二の次なのかもしれません。
それで最終的に
【この作品にあまり馴染みがなくても、歌詞の内容がわからなくても、アウトラインがぼんやりわかるような流れのクリップを作ってみたい】
というコンセプトで作ることに。たまたま、彼が今年出た舞台で、うってつけの材料があるね…と思って、トライしてみました。
それにしても、15分というのはホントに長いです。通してチェック…と思うと、一時間の4分の1かかるわけですから。
一般的にはこの作品、【見る】より【聴く】ものですし、だいたい、聞き手自体が男性の方が圧倒的に多いでしょうし、
ソリストにこれだけ焦点を当てて熱く語っているのも、ひとえにそのソリストへの愛ゆえ、ですから(///▽///)
まあ、YTに一つぐらい、このような13番のクリップがあっても、バチは当たらないでしょ:P
というわけで、字幕なしでもある程度、内容がわかるような作りにしたつもり…です。よって、ちょっと生々しいかんじで作った箇所もあるんですが、
そこだけに目を奪われず、音楽へ、合唱団の声へ、そして彼の声へ耳を傾けて欲しいなあ…と思っております。
パリ管×フィリップ・ジョルダンの指揮は、すごく好みというわけではないんですけど
(リヴァプールフィル×ヴァシリー・ペトレンコとのナクソスから来年出るはずのCDが楽しみだわっ。ちなみにペトレンコとは来年5月、スペインのバリャトリードでもご一緒する予定♪)
パンチには欠けるんですが、この楽章で一番ロマンティックな、アンネ・フランクの場面なんかは、弦楽器の音がいかにも流麗ですし、
ここは好きな部分だけに、作っていてドキドキMaxになりました。
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というわけで、この作品をYTにアップする!というのも、私の夢の一つだったんですが、一応叶った…ことになるかな。
まあ、残りの4つもこのコンセプトで行けるかどうか、ビミョーなんですが、アップはします。どんだけ時間がかかっても。
ところで、字幕をつけなかったのには、上記の理由で、ですが、
それよりなにより「意外とめんどくさそう^^;」ってのも、もちろんあります(笑)
(検索したんですけどね・・・それこそ、15分の長大なクリップにつけていくのは辛そうーー;)
(*1)都響の演奏会前後に「バビ・ヤール」という言葉が飛び交っていて、私もその時には「バビ・ヤール」と連呼してましたけど、
通常私が「バビ・ヤール」と言うときには、この第一楽章だけを指すことが殆どで、
作品全体のことを指している時には、「13番」と表現しています。その方がちょっとカッコいいでしょ(笑)