101013 フィガロの結婚@新国立劇場(2回目)

平日マチネ。
ヴァラリン、この日が彼の実演20回目(と言っても、そのうちの半分が東京で聴いたもの)記念ライブだったので、また?!泣くかと一人で心配していたのですが…

その心配よりも;

・昨日は平土間から観たため、この舞台の傾斜のスゴさに改めて驚いたこと(歌手は歌うの、大変だろうな~~~~~と[E:coldsweats01])

・歌手やアンサンブルとオケがズレる場面が多々あり、冒頭のフィガロとスザンナの2重唱の終わりの辺りで、いきなりズレた時には

「うわ~~~~~っ、なにこれっ? この先どーなるの???」

と、青くなりました[E:shock]

その他にも、ズレた所は色々あって、その度に「~~~~~~~~~~~っ[E:wobbly]」とヒヤヒヤ。2幕の途中ぐらいからは、だいぶ持ち直し、最終的にはなんとか揃った…という感じでした[E:sweat02]

前回、私の勝手な感傷その他の要因によりアレクサンダー・ヴィノグラードフ@フィガロの歌については、殆ど触れずじまいでしたが、
実はちょっと歌いにくそうにしている所とか、最後の方でちょっとバテ気味(歌い急ぎ気味になると「あ~~バテてる[E:coldsweats01]」と思いますw)だったかな?とか、ちょっとおっかなびっくりしてるかな?と感じた点がありました。

微妙に軽めな演奏スタイルと、ヴィノグラードフの(声も声域も、ものすごくこの役に合っていると思うけど)彼の重めの(荘重な)歌い方が、なんとなく合ってない感じがしてて。

で、2回目はどうだったかと言いますと、
声が最初から、すーーーーーっごくよく響いていて
「ちょっと、響かせ過ぎというか、飛ばし過ぎじゃないの??」と
思ったぐらい、よく声が出てました。逆に心配になるぐらい[E:coldsweats01]

彼曰く、新国の音響は非常に優れているそうでして、無理をしなくてもよく響くので、歌手にとっては歌いやすいそうなんですが、
今回の装置の壁面効果も手伝って?
まさしくその、ホールの響きのよさを利用して、すーーーーーっごく、気持ちよさそうに歌っていたと思います[E:confident]

私の席位置の問題だけではないと思うんですが、後ろの壁に跳ね返って、ホール全体にふわ~っと響かせて聴こえるというか、あんなに彼の声がはっきり、大きく聴こえたのは初めてじゃないかしら。
だからと言って、重唱部で出すぎちゃうとかいうわけではないんですけど。あくまでも「一人で歌っている時」に限っての話です。

それから、歌い方と表現を一部変えて、思いっきりが良くなった…と思いました。
具体的には、最初のスザンナとの2重唱のところの「奥様が鈴をならして…」のくだりの「ディン・ディン♪」から「旦那様が僕を呼んで…ドン・ドン♪」のところ。

初日の「ディン・ディン♪」は、一オクターブぐらい上げて、女声っぽく(あの低声で、ですよ・笑)歌い、旦那様が…のところは、普通に歌ってたと思うんですが
今回の「ディン・ディン♪」は、そんなに上げずに(ちょっと声色変える程度)だったのですが、旦那様が…では、逆に、うんと低めに声色を変えてました。

軽めの演奏スタイルに合わせるよりも、自分の歌いやすい表現方法に変えたような気がするんですけどね。
私としては、もちろん今回の方が好みです。

ただ、この彼の「重めのフィガロ」は、好悪が分かれるかもしれません。それはそれで、しょうがないでしょう。これがこの人の個性ですから。

左のサイドバーで宣伝している(笑)「全て準備が整った」は、渾身の力を込めて熱唱してたと思います。多分、ここにピークを持ってきているのではないかと。

このアリアは、もちろん聴いて泣くようなアリアじゃないのはわかっているのですが、とにかく最初に聴いた時(=そのYTの音源に使っている、2006年ロンドンでのコンサート放送音源)に号泣したシロモノですから、ここだけは、また今回も、うるうるしてました[E:coldsweats01]

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声がよく響いていた…という点では、伯爵のロレンツォ・レガッツォも同様でして、2幕後半の二人のやり取りの場面では、まさに「バス&バスバリトン美声饗宴」とでも言わんばかり。ここのところは、かなり、萌えました[E:lovely]

レガッツォは、若い頃の「ドン・ジョヴァンニ」(DGが変なカツラを被っている)DVDで、マゼットを歌っていたのを聴いたことがあるぐらいでしたが、
何しろ前回のこのプロダクションではフィガロですし、今回の伯爵は、初役じゃないかと思います。
なので、ちょっと伯爵には声が低すぎるんじゃないか?ヴィノグラードフとの対比がつきにくいんじゃないか?と勝手に懸念していたのですが、やっぱり違う声ですし、若干レガッツォの方が、高め(というか、明るい^^)ですから、ちゃんと対比もついてます。

で、存在感という点では、生真面目なフィガロ^^;を凌いでいると、素直に思います(^^ゞ
昨日幕間でご一緒したstraycatさん&galahadさんとも話していたんですが

「伯爵って、あれぐらいいやらしくないとダメよね(笑)」

と[E:catface]

この作品、フィガロがタイトルロールではありますが、やはりキーパーソンは伯爵ですから、伯爵が良くないと、面白くないですもの。
やらしいと言っても[E:smile]品格もありますし、何より、胸をぐっと反らせて歌っている時の姿勢がいいし、演技も適切で、見栄えがするんですよね~~
大人の男の厭らしさ…とでも言いましょうか。イタリア男の色気?かもしんない。

伯爵の唯一のアリアも、ステキでしたよ。はぁ~~やっぱり巧いわぁ…と思いましたもん。

そんなわけで、男声陣にうっとりしていた[E:heart04]2回目の感想です。
次回はもう少し、アンサンブルが持ち直してくれることを祈ります。。。

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フィガロの結婚@新国立劇場 2回目
2010/10/13 1階●列目左サイドにて鑑賞

【指 揮】ミヒャエル・ギュットラー
【演 出】アンドレアス・ホモキ
【美 術】フランク・フィリップ・シュレスマン
【衣 裳】メヒトヒルト・ザイペル
【照 明】フランク・エヴァン

【アルマヴィーヴァ伯爵】 ロレンツォ・レガッツォ
【伯爵夫人】ミルト・パパタナシュ

【フィガロ】アレクサンダー・ヴィノグラードフ♥ 宜しくね(^^♪
【スザンナ】エレナ・ゴルシュノヴァ
【ケルビーノ】ミヒャエラ・ゼーリンガー
【マルチェッリーナ】森山京子
【バルトロ】佐藤泰弘
【バジリオ】大野光彦
【ドン・クルツィオ】加茂下 稔
【アントーニオ】志村文彦
【バルバリーナ】九嶋香奈枝

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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